「ユーザー」というリソースを活用すること
Webサイトは、現在ではWebマスターが掲載した情報をユーザーが閲覧するだけではありません。ユーザーもまた、情報を発信するツールを使いこなしています。少し以前に提唱されていたWEB2.0という言葉があるのですが、それはインターネットの使い方を表した言葉でした。インターネットが「情報を参照する」という使い方から「相互に情報を提供しあい、拡散していく」というものです。
以前から当たり前のように使われているSNS、いわゆる「ソーシャルネットワーキングサイト」は、ユーザー間がコミュにレーションをとるためのサイトです。実際に見知った人はもちろん、そのサイト上でしか知らない方々との交流も可能にしたものです。それらのサイトは、Webマスターはユーザーが利用するシステムインフラを整備するだけで、あとはユーザーが利用するなかで情報が膨らんでいくような仕組みになっています。この仕組みをポータルサイト構築に応用することが出来れば、少ないリソースでも継続的にユーザーが楽しむことができるコンテンツを提供できる可能性があります。
だからといって、新しい「SNS」を構築すればいいとわけではありません。SNSサイトはもはやインターネットユーザーがコミュニケーションをとるための「インフラ」と化している側面も強いので、今から新規参入しても十分な利用者を確保できない可能性が高いのです。今から参入しても、国内大手のmixiや世界最大手のFacebookには勝てないでしょう。また、コミュニケーションの機能を持ちながらユーザーによる「発信」をメインとした仕組みとして「ブログ」が挙げられます。そのような仕組みもすでに沢山存在しているので、新規参入は厳しいものと思われます。
それではどうすればいいのか、というと、そこには「答え」はありません。新しいサービスというものは「誰も見たことがない」から「新しい」のです。ですが、現在のインターネット市場では、そりサービスが画期的であれば爆発的に「普及」する可能性は十分にあるのです。例えばコンテンツとコミュニケーションの両立、各ユーザーが情報を発信しあい、それがオープンに閲覧できるポータルサイトであれば、少なくともWebマスターがコンテンツに困るようなことはないのではないでしょうか。ユーザーが勝手にコンテンツを拡大してくれるようなもの、そしてそれが世界中に公開されるようなものであれば、少ないリソースでも大規模なサイトを管理できるのではないでしょうか。
そのような枠組みのサービスを「考える」ことは誰にでも可能です。そこにはWebシステムのエンジニアリングが必要になるかもしれませんが、アイディアは誰でも出せるのです。それを実現する技術が必要になりますが、それは外部のリソースを頼るという手もあります。重要なのは如何にしてユーザーを繋ぎ止める魅力的なコンテンツを揃えるかということです。分野に特化した、コミュニケーションが可能なコンテンツ重視のサイトは、現在であれば既存のSNSを利用して構築出来るのではないかと考えられます。あとはアイディア次第です。
ポータルサイトは「マンパワーが必要」というのは過去のものであるかもしれません。現在ではアイディア次第でどのようなものでも構築することが出来るのではないでしょうか。