コンテンツの整理の仕方
さまざまな情報を豊富に取り揃えているから「ポータルサイト」なのです。ポータルサイトで「情報が少ない」ということは、そもそも「ポータルサイト」の定義から外れてしまいます。ですから、ポータルサイトを運営するということは「大量の情報」を取り扱うということになります。
なんらかの手段で収集したそれらの大量な情報、それをインターネット上に配信するのは実は難しいことではありません。どのような方法でWebサイトを構築したとしても、その情報をページに流し込んで公開するプロセスは大したことではありません。もちろん、ボリュームがあればあるほどその「作業量」は多くなりますが、ただそれだけのことです。Webサイト運営のなかで「如何にして効率的に管理・運営をするか」ということはもちろん大切ですが、それはユーザーには関係のないことです。
本当に大切なことは管理の手法や運営のルールではありません。それはあくまでも「こちら側」の問題であって閲覧してくれるユーザーには何の関係もないのです。大切なことは「Webサイトの質」です。そのサイトがどれくらい「価値」があるのかということです。インターネットユーザーはとても「ワガママ」です。それはそのサイトに対して「悪意」があるわけではありません。むしろ、「何の感情もない」のです。Webサイトを閲覧する際、わざわざそのサイトの運営者の苦労を思うような親切なユーザーはいません。「見る価値があるかどうか」しかありません。そして「見やすいかどうか」ということもその「価値」には含まれます。
インターネットユーザーがワガママであるということは、自身のインターネット上での行動を振り返ってみてもよくわかるはずです。どのようにネットサーフィンしているのか、考えてみましょう。自分のお気に入りのサイトを見る際、わざわざ運営者や運営団体のことを考えるでしょうか。「このWebマスターは初心者だから仕方ないな」と、酌量してあげるものでしょうか。そのようなことはあり得ません。インターネット上に配信された瞬間に、そのサイト、そのページ、その情報はYahooに掲載されている情報と「同列」に扱われるのです。
Webサイトは誰でも作れます。Web構築の知識がなかったとしても、ブログやコンテンツマネジメントシステムを用いれば誰でも作れるのです。必要なことは「Webエンジニア」としてのスキルや知識ではありません。「そのサイトを閲覧しやすくする」ための「工夫」です。情報が参照し辛いWebサイトは意味がありません。訪れたユーザーが必要な情報を参照できなければ意味がないのです。
自身が何かのサイトのトップページを見ているとしましょう。目的とする情報はそのトップページにはありません。ですから、必要な情報をそのWebサイト上で探す必要があります。その際、「探し辛い」とどう感じるでしょうか。そのサイトが使い辛いとどう感じるでしょうか。どのような局面でその情報を探しているのかにもよりますが、もし「急いでいる」場合、すばやく情報が参照できないそのサイトに対して「苛立ち」を覚えるのではないでしょうか。それが「使いやすさの指標」です。使いやすいサイトに対して「使いやすい」と感じることはあまりありません。「当たり前」だからです。しかし、少しでも使いづらいと苛立ちを覚えます。そのようなサイトは、どのような情報が載っていたとしてもユーザーを遠ざけてしまうのです。
「見やすい」、「探しやすい」ということは、ポータルサイトにとっては必ず必要な要素となります。それを整理する方法は、「ユーザー目線で考える」ということです。自分がユーザーとして閲覧した際にどう感じるのかということを、常に念頭に置く必要があるでしょう。