そのサイトはなんのためにあるのか

ポータルサイトを構築しようとする理由にはさまざまなものがあるでしょう。個人レベルであればアフィリエイトの延長線上だったり、純粋な趣味として取り組んでいくということもあるでしょう。また、企業においての取り組みであれば事業の一貫になるでしょう。ポータルサイト構築、運営の理由によって、そのサイトが果たさなければいけない役割や責任が違ってきます。

個人で趣味で取り組む場合、そこにはそのWebマスターそれぞれの考えがあると思います。将来Web関連の職業に付きたいと考えているため、実績を残したいだとか、純粋なシュミットとして取り組みたいというようなものです。どのような考えを持っていても誰かに見せるためのWebサイトであることは変わりません。真剣に作っても、いい加減に作っても、Webサイトが公開されればアクセスされる可能性があるのです。そのような意味では趣味であっても仕事であっても「公開する責任」に変わりはないといえるでしょう。

Webサイトにアクセスする人には「理由」があるのです。それはWebサイトにアクセスしなければ解決しない課題があるからかもしれませんし、暇つぶしという理由かもしれません。Webを閲覧するすべての行動、すべての行為は能動的なのです。インターネットユーザーが自ら行動した結果がインターネットのトラフィックなのです。そのようなトラフィックを生み出す大元はコンテンツを提供しているWebサイトなのです。インターネットを構成するひとつひとつのWebサイトが、ユーザーの行動を促し、インターネットを大規模な情報交流空間にさせているのです。

サイトを設置した「結果」、Webマスターとして期待する成果、期待する実績というものはあるでしょう。ですが、それはユーザーには関係ないのです。ユーザーにとってのそのホームページは自分に役に立つかどうかでしかありません。自分が閲覧した結果、Webマスターが収益を上げたからといってなんの問題もないのです。ユーザーは自分の目的が達せられればそれでいいのです。「そのためのWebサイト」です。売り上げを上げるためだとしても、趣味で運営しているとしても、そのWebサイトを見る人の動機には関係ありません。そして、「思惑と関係のないアクセス」を積み重ねることでWebマスターの目的を達成する必要があるのです。

Webサイトで収益をあげるためのシンプルな方法として「広告」を販売するというものがありますが、それは「大規模なアクセス」を確保できていなければ難しいのです。Webサイトのアクセス数はテレビ番組の視聴率のようなものです。沢山の人に見られて初めて「価値」がでるのです。「誰も見ないWebサイト」は、何の意味もありません。ただのデータノイズと同じか、誰にもなんの影響も及ぼさないので「ノイズ以下」のものになります。それでは収益はあがりません。

WebマスターにとってのWebサイトの存在意義と、インターネットユーザーにとっての存在意義は違うものです。それでもアクセスを集めることで、Webマスターとして利潤を得ることは不可能ではないですし、アフィリエイトなどに用いたり、広告を販売したりすることが出来るのです。ただ、それらの利潤をもたらしてくれるのはインターネットユーザーですから、ユーザーにとって「何のためにあるのか」という点を明確にした方が運営上健全なのではないでしょうか。