アプリ配信の有用性
ニュース系情報サイトが情報を配信し、さまざまなユーザーにリーチを広げる手段として、「アプリ配信」が挙げられます。近年急速に普及したスマートフォンは、そのスペックの高さからさまざまなアプリを実行することができるのです。インターネットを閲覧する形が、「ブラウザ」からだけではなく、特定のWebサイトを参照する「アプリ」経由でも行われるようになっているのです。
今ではインターネットにいつでも接続できることは「当たり前」となりました。新機軸のモバイル通信回線「LTE」は、有線ブロードバンドにも負けない速度を実現し、対応端末はとても高速な接続環境でインターネットにアクセスすることができるようになりました。「アプリ」という言葉も一般化し、端末にプリインストールされたものだけではなく、誰もが自分が気に入るアプリをダウンロードし、自分専用にカスタマイズした端末を日々使っている状況です。スマートフォンの普及と共にアプリ開発は隆盛を極めました。アプリ開発のエンジニアはまさに引く手あまたの状態になったのです。それほど、さまざまな企業がアプリ開発、アプリ配信の有用性を認めているということです。
誰もが使う「アプリ」にはさまざまな種類のものがあります。「ゲーム」はもっとも代表的なものです。進化した端末スペックにより高度なグラフィックのゲームをいつでも、どこでも楽しめるようになったのです。そして「ニュース」も同様です。テーマを絞ったニュース収集アプリを用意することで、特定のジャンルのニュヘを自動収集し、アプリで表示するのです。ユーザーはインターネットで検索を行わなくてもそれらの情報を参照することができます。
この「アプリ」による情報配信は、情報サイトに新たな局面をもたらしました。Webサイトにアクセスされることなく、情報を閲覧してもらうことが可能になったのです。アプリでの情報配信ではその記事の全文を掲載することは少なく、さらに詳細を見たければそのソースサイト、つまり情報の発信サイトに誘導する形をとっています。さわりだけをアプリで配信し、気になった記事はサイトで見るということです。この手法により、情報サイトへの流入の経路が大きく変化しました。スマートフォンで閲覧されることはもはや「当たり前」のことになったのです。
アプリによるインターネットアクセスはインターネットのチャンネルがひとつ増えたことと同義です。わざわざブラウザを立ち上げるのではなく、アプリが自動収集する情報をアプリ経由で閲覧するという形は、これまでにはないものでした。その流れに乗るかどうかが、今後のWebサイトの明暗をわけるといっても過言ではありません。情報が乱立し、どのような情報も一度の検索で参照可能になった現在では、ユーザーの興味も細分化しています。その中で、あらかじめテーマを区切った自動収集アプリも数多く存在しています。情報は常に流動するものです。ユーザーはそれを日々、いち早く知りたいのです。そのようなニーズに応えるアプリの数々に収集されるかどうか、提携できるかどうかがポイントです。あるいは、自社で開発してもいいかもしれません。さらに多角化していく流入チャンネルを、どこまで抑えられるかが今後のポイントになるでしょう。