「見辛い」は問題外
Webサイトを運営していく中で、どのような情報をどのようなユーザーに伝えていくにしても、絶対に曲げてはいけない「ルール」があります。それは「見やすく構築すること」です。Webサイトが「見辛い」というだけで、ユーザーは寄り付きません。心霊現象の特集サイトであれ、怪談サイトであれ、はたまたエンターテイメント情報のサイトであっても、「見せる」という大前提を無視してはいけないのです。
Webサイトは自分以外の誰かに見せるものです。そして見てもらわなければまったく価値のないものです。人に見てもらうことは「当たり前」のようでいてなかなか難しいものです。何かを誰かに伝える「手段」としては文章などがありますが、それらは「読める状態」でなければ人に伝えることはできません。例えば、誰かに「手紙」を書いたとしても、書いた字が汚く、誰も読めないような状態であればその手紙を受け取った人もそれが「何なのかわからない」ということになります。それだけで終わればいいのですが、一度「読もう」と考えて手紙を手にしているのですから、それが読めなければ「不快」になります。
インターネットでの情報発信は、見ず知らずの無数の「誰か」に手紙を届けることなのです。「読める人だけ読めば良い」というものではありません。ユーザーをある程度選んでもいいですし、そうなるように情報を厳選したり、特定の分野に特化するということは必要なのですが、それと「見辛い」は別の次元です。レイアウトが整っていなかったり、崩れているサイト。そして背景の色が強すぎて文字が読めないようなサイトは、誰かがアクセスする以上、存在しているだけで迷惑なのです。
Webマスターとしてあまりキャリアがなかったり、Webデザインに対して経験が浅かったりすると、そのような「誰も好まない」デザインを構築してしまうことになります。取り扱う情報は良いものであるのに、デザインがそのアクセスを殺す場合は多々あります。
Webサイトにおいて、「独自性」はコンテンツで求めるべきことです。例えば、車のデザインを考えてみましょう。どのようなデザインの車であっても、それは「自動車だ」ということがひと目でわかります。それは車として認知されるべき点をどのような車もおさえているからです。どこから乗り込めばいいのか、どこから給油すればいいのかが、ひと目見るだけですぐにわかるのです。このような「トーンマナー」というものは、何に対しても必要です。
Webサイトのトーンマナーは、どのリンクから何が見れるのかがすぐにわかるというものです。必要な情報に迷うことなくたどり着け、その上でしっかりと閲覧することができるというものです。見辛い、使い辛い、レイアウト崩れのサイトはあり得ません。
Webサイトである以上、誰かに見られる、見てもらうということを大前提にして作りこむ必要があり、そこに「オリジナリティ」と称した不可解なレイアウトは必要がないのです。見やすいということは、見慣れているということでもあります。他のサイトのレイアウトやデザインを参考にしながら、どのように配置すれば自然に情報が閲覧できるのか、参照しやすいのか、という研究が必要でしょう。