大切なことは「軸」をぶらさないこと
Webサイトにはどんなことでも書けます。どんな情報でも掲載することができます。ひとつひとつのWebサイトはその運営の仕方によってどんなサイトにもなり得るのです。その無限の「可能性」の中で、どのような道をたどるのか、どのような選択をするのかということが重要です。
何でも掲載したい、どのようなことでも人に伝えたいという気持ちはわかります。いろいろな人がいるから、いろいろな情報を相手に伝えたいという思いもわかります。ですが、それが最善とはいえません。人は「自然か不自然か」を直感的に嗅ぎ分けます。「筋が通っているかどうか」もすぐにわかります。健康食品のサイトで、突然「パソコン」の情報が掲載されては違和感があります。そして、そのような違和感のある情報の掲載のされ方ではどんなに信頼性のある情報でもユーザーの受け取り方が違うのです。
「その道」というものがあります。何でも掲載したい気持ちはわかります。ですが、「その道」を踏み外した情報というのは見え方ひとつ、見せ方ひとつで信ぴょう性を失い、見る気も起こさせないのです。Webサイトに大切なものは「軸」です。「何のサイトなのか」ということです。そして「誰に見せたいのか」ということです。さらには「何のために運営しているのか」ということです。それら運営上の「軸」がぶれた瞬間に、Webサイトは「テーマ」を失います。
デジタルガジェットのサイトにパソコンの情報が掲載されているのはいいのです。お酒の専門サイトにワインの情報が掲載されているのはいいのです。ですが、それらが混在するとわけがわからないのです。ポータルサイトという情報が命、情報の整理の仕方が命のWebサイトを運営するにあたって、もっとも気をつけなければいけないこと、それはそのようなユーザーを混乱させないことです。一貫したテーマの中でそれに相応した情報が掲載されていることが大切であって、そこから逸脱した情報は「違和感」しか生み出さないのです。Webサイト上に発生した違和感はユーザーを遠ざけます。遠ざかったユーザーが戻ってくることはほぼないでしょう。
「ポータル」だからといってなんでも掲載していいわけではありません。「何のポータル」なのかを絞らなければいけません。「何でも見れます」という謳い文句は意味がありません。何をどう見せたいのか、何を伝えたいのか、その軸がないサイトにはユーザーはつきません。それを度外視したサイトはあまりにも多く、インターネット上の「ノイズ」としてユーザーを混乱させています。そのようなアクセスもなにもサイトは、存在している意味がありません。
Webマスターとは、自身のサイトを通じてユーザーの生活を向上させる人でなければいけません。便利な社会にするための情報を提供しなければいけません。そしてインターネット全体の在り方についてもしっかりと考えられる人でなければいけれません。「いい加減な運営」はすぐにわかります。そしてそれが感じられたサイトには誰も寄り付きません。そうなるとサイトを立ちあげた意味もなくなります。「何のために運営しているのか」という目的を、自ら破壊することになるのです。Web運営には「節度」が必要です。そして一貫性のある「テーマ」が必要です。それを自身でしっかりと定義すること。それにそった運営をすることがもっとも重要なのです。