トップページだけが「入り口」ではない
現在のインターネット上の「トラフィック」は「検索」をきっかけとするものが大部分をしめます。もちろん、ユーザーが好んで閲覧する特定のサイトから、そのサイトが紹介しているサイトにリンクが繋がっている場合もあるでしょう。ですが、ネットサーフィンにおいて「検索」は現在では外すことの出来ない「インフラ」として存在しています。
その「インフラ」である検索は、何もサイトの「トップページ」だけをユーザーに指し示すものではありません。インターネット検索エンジンは、その守備範囲をインターネットに公開されたすべてのページとしているのです。それも「ユーザーの利便性を考えた結果」ということになります。ユーザーがいち早く目的の情報にたどり着くためにはどうすればいいか、ということを追求するのが「検索エンジン」なのです。検索エンジンとしての「存在意義」は「使われること」にあります。多くの人がそのサービスを用いて検索してくれることが大前提なのです。「ユーザーフレンドリー」であれば人が集まります。人が集まると「媒体」としての価値があがるのです。媒体としての価値があがれば、「広告」が販売しやすくなります。広告が販売できれば運営資金が集まるのです。
そのようにして日々ブラッシュアップしている検索エンジンですから、ユーザーが入力した検索キーワードがより「具体的」であった場合、そのユーザーが「見たいと思っているであろうコンテンツ」を絞り込みます。その結果、「トップページ」ではなくコンテンツそのもののページを検索結果に表示させることになります。つまり、ユーザーはそのサイトのトップページではなくて下層のコンテンツページからそのサイトを閲覧しはじめるということになるのです。これは現在のユーザーがとる「インターネット行動」としてはごく普通のことです。それも「検索エンジンが優秀になったから」ということになります。
優秀になった検索エンジンはユーザーに時間をかけさせることなく目的の情報に辿り着くように工夫します。それがユーザーにとっての「利便性」であるからです。つまり、今では検索エンジンが優秀であるが故に「トップページだけがWebサイトの入り口ではない」という時代なのです。つまり、最下層のコンテンツを入り口としてそのサイトを遡るように閲覧するということが当たり前のように起きています。Webサイト構築において、この点を加味しないわけにはいきません。
最下層のコンテンツから上層に遡る場合、ユーザーは最初に見た最下層のコンテンツでそのサイトが「気に入っている」ということです。「他のコンテンツも見たい」ということです。Webマスターにとってはこれほど嬉しいことはありません。ですから、そのような現象はWeb運営上「リピーター」を獲得する最大のチャンスでもあります。そのようなタイミングを逃してはいけません。具体的には、「最下層ページから上層に遡れない」というWebサイトはナンセンスなのです。
そのサイトが気に入り、「ブックマーク」したいとすればブックマークするURLは当然「トップページ」です。ですからWebサイト内のどのようなページからもトップページへのリンクはあるべきです。そして、そのとき見たコンテンツに類似するコンテンツをさらに参照したいという場合や、面白かったので違うジャンルのコンテンツも見てみようなどという場合もあります。そのようなさまざまなニーズに応えられるような「ナビゲーション」を用意する必要があります。Webマスターとしてもっとも基本的なことです。そのようなさまざまな「閲覧のしかた」を想定したページ内リンクを用意しましょう。