人がインターネットする状況を考える
Webサイトの情報は、「情報を得よう」と考えている能動的なユーザーのためにあるものです。「何となく電源を入れていたらたまたま目にした、耳にした」などという状況は、テレビやラジオなどと違って起こりません。インターネットで動画を再生するにしても、パソコンの電源を入れるだけ、スマートフォンの電源を入れるだけではダメなのです。
情報を得ようという「能動的」なユーザーのみが参照するもの、それがインターネットの情報の特性です。インターネット上では日々さまざまな「検索」が行われています。日々さまざまなニーズが飛び交い、日々さまざまな情報が更新されています。そのようななかで、すべての情報がすべてのユーザーに行き渡るわけではなく、「見たいもの、知りたいこと」だけを、ユーザーは選択して閲覧しているのです。インターネットと電波によるマスメディアの違いはここにあります。テレビやラジオはなんとなく電源を入れ、放送に委ねるということがあるのです。インターネットにはそれがありません。ユーザーが「見よう」と思っているのです。
そのユーザーの「見よう」という動機は、「ニーズ」といいます。何か面白い動画が見たい、最新のエンターテイメント情報が見たい、好きなブランドの新製品が見たいなど、そのニーズは多岐に渡ります。そして、そのニーズごとに「必要な情報を」しっかりと得ることができるのです。それが現在のインターネットの「利便性」です。欲しい情報だけを選んで閲覧するということは、今では当たり前なのです。逆にいえば、「見たい、知りたい」と思われないような情報は人の目に触れる機会もないのです。「ニーズのない情報」は価値がありません。そしてWebサイトは情報の集まりですから、価値のない情報を取り扱っているWebサイトもまた「無価値」になります。その情報に価値があるかどうかは、発信したあとのアクセス数などの接触数で測ることができます。
それでは「配信したあとでなければその情報の価値はわからないのか」という考えに至りますが、ある程度は指標を持って類推することができます。インターネットでは日々「キーワード検索」が行われています。検索エンジンの種類は数えるくらいしかありません。そして検索エンジンはどのようなキーワードがどれくらい検索されたのかを蓄積しています。蓄積された情報を基に、私たちは世の中の検索を通じたある程度の「ニーズ」を測ることができます。Googleでいえば「キーワードツール」や「Googleインサイトツール」を用いてそれを調べることが可能です。
「今注目度が高いキーワード」の関連情報であれば、「知りたい」というニーズが高いと想像できます。「iPhone5」の発売の前後であればその関連情報が注目されるということです。価値のある情報を配信するためには、そのような世の中の「トレンド」に目を向ける必要があるでしょう。その中で「何が注目されているのか」ということに注視し、人が求める情報を選んで配信することで、ユーザーの期待を裏切らない情報提供を続けることが出来るでしょう。それらの「ニーズ」は、リーチできているユーザー層によっても違います。自身のサイトがどのようなユーザーに支持されているのか、また指示されたいのかを考えることで、どのような情報を提供していけばいいのかということが自然と見えてくるのです。