個人での運営には限りがあるということ
「ポータルサイト」は「規模が大きくなる」ものです。どのような分野に絞ったとしても、「総合的」に物事を掘り下げようとすればサイト規模は大きくならざるを得ません。一般的な企業などが運営しているコーポレートサイトであればその情報も限られたものになり、しっかりと整理できていれば担当者ひとりでも管理・運営が可能なのですが、「総合サイト」ともなると話は別です。各カテゴリ毎に担当者が付き、更新スケジュールを持っていてもいいくらいのものなのです。
事業としてポータルサイトを構築し、収益をあげようとしている場合には、その事業で得られる収入のシミュレーションからどれだけの人員をそのサイト運営に充ててもいいのかの計算が出来るのではないでしょうか。もちろん立ちあげ準備の期間やサイトを立ちあげて間もない頃は収益はないので支出しかありません。その期間も見越して、計算する必要があります。ただ、事業計画通りに広告が販売出来るのかどうかは、わかりません。事業とはそのようなものですし、昨今では各企業の広告費の上限はどんどん狭まっているようですから、Webサイトの広告を販売する「メディア事業」も苦しい局面に立たされています。その中でも、「ポータルサイト」を運営すると決めたのであれば、そのローンチまでのプロセス、そしてローンチしてからの管理更新の手間を考慮した体制が必要でしょう。
Webサイトをデザインすることは比較的マンパワーは少なくても済むのです。「デザイン」に関してはひとりの担当者が行うことは珍しくありません。また、それを「Webページ」に仕上げる際の雛形もある程度は短期間で構築することができるでしょう。問題は「ページ数」が膨大になる「ポータルサイト」としての構築になります。各ページ毎にユニークなコンテンツが収められているはずですから、同じページを量産するわけではありません。雛形にコンテンツを流し込む必要があるのです。そのようなプロセスにかなりのリソースを割くことになるはずです。また、その作業量はローンチ前とローンチ後では異なってくることもポイントです。
これらの煩雑な構築作業を、ただひとりで行うことは限界があります。Webサイトにはそのサイトに特化した管理システムやコンテンツをマネージメントする枠組みが用意されていたりするものなのですが、サイトの規模が膨大になればなるほど、それはひとりでは管理出来なくなります。事業としてではなく、個人の取り組みとしてただ情報を配信したいというのであれば、未公開のページや構築途中のページがあっても構わないのですが、そうではない場合、事業として軌道に乗せたい場合は「スケジュール」の管理が大切になってきます。その工程自体を度外視し、企画だけ先行させてしまうと、どこかで必ず無理がたたるのです。
Webサイトの運営には労力が伴います。その労力が報われるかどうかはその「サイト次第」であるので、がんばればその分儲かる、というわけではないのが辛い点です。ただ、ある程度の規模のサイトはある程度の体制で構築する必要があることは間違いありませんから、その点は度外視しないようにしましょう。そのサイトをもって「どうしたいのか」が一番のポイントとなるでしょう。